いそかぜ おはなみ プロジェクト 
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    cherry blossom viewing.

      
ISOKAZE

 無意味に仙石はオロオロし、
「おい、菊政、な、泣くなって…おれも悪かったよ。だから泣くなって…!」
 となだめてみたり、
「えーい、大の男がそれでどうする!?」
 と怒ってみたりありと、あらゆる懐柔作戦に出たが一向に効果が上がらない。しまいには匙を投げて、
「おい、如月、どうにかしてくれ…!」
 とこちらにに助けを求めてきたが、行の方もこんな状況に慣れているはずもなく、しばらく逡巡した後、彼としては最善の方法を試してみた。

「…おい」
声を掛けると、菊政は鼻をぐすぐすさせながら一応は行の方を向いた。「…ぐすっ…なんれすか…?」

 そのタイミングを見計らうと、行は渾身の力を声に込めて菊政に言った。

「泣き止め」

*************


 仙石は呆然とした。

 こいつ…なにを言ってる? 「泣き止め」っておまえ、これで泣き止むなら子供の夜泣きもなくなるし、やめろと言えば停戦されるのだから、この世から戦争などなくなる事だろう。だが実際には、世の親は子供の夜泣きに眠れぬ夜を過ごし、戦争の火種はこの地球から絶える事はないのだ。如月め、こいつ実はアホなのか? と仙石が絶望的な気分になっていると、グスグスと鼻を啜っていた菊政はあろうことか、

「…はーい」
 といって大人しく泣き止んだ。

 …不公平だ。

 仙石には空を仰ぎ見るのが精一杯だった。

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