いそかぜ おはなみ プロジェクト 
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    cherry blossom viewing.

      
ISOKAZE

 他と反応が異なったのは、酔っ払って行の足元にくっついている菊政が変らずニコニコしているのと、当の本人である行がいたって真面目な表情を崩していないこと、そして周囲の花見客の中で特定の年齢層の客がやけに嬉しそうにはしゃぎ出したことであった。

 ――ちなみに、その「特定の年齢層」とはおおよそ4歳から8歳くらいの、いわゆる「ちいさなおともだち」である。

 モニターにタイトルが表示される。ああ、やっぱりそうなんですか〜!? というギャラリーほぼ全員の、「声には出さないものの雰囲気で丸分かりの一致した反応」をよそに、行は「すちゃっ」とマイクを構え直し、一度深く息を吸い込んだ。そして、そのアイドル顔負けのルックスで、おもむろに歌い始めたのだ。


 曰く、




「あるぅー日ぃ、森のなぁーか、くまさんにー、であぁったー♪」




 しかも当人は真剣そのもので、きりりとした姿勢の良いいつもの立ち姿のまま。上手いんだか下手なんだかも判然としないが、とにかく真剣に、にこりともせず、行は歌っていたのである。


 き、ききき、如月〜!!

 声にはならなかったが、仙石は胸中に絶叫した。いや、たしかに歌など知らんと何度も言っていた。だが、これはいったいどういうことなのだ? どういうチョイスをするとこういうことになるのだ??

 仙石は半分彼岸の世界に行ってしまいそうになっていた。

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