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約束 ――崩壊まで―― 22 |
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| ちらりと目を動かすと、当の先輩は、自分のベッドの中で着替えしてる。今日は(いや、いつも、なんだけれど)人手が足りないから、先輩が魚雷の引き上げに借り出されるらしい。多分作業着に着替えてるんだろう。 自分でも気が付かないうちにため息をついていた。 …まただ。何かと言っては、先輩、先輩。鬱陶しいって思われても仕方ないのに、先輩は優しい。一見した口調や態度は冷たいから、「なんでそんなにアイツがいいわけ?」って先輩の3曹に言われた。でも、そう言った3曹も笑ってたから、多分みんな、なんとなく先輩のこと分かってはいるんだと思う。先輩はホントは優しいけど、不器用であんまり表現の仕方が上手くないんだと思う。あんなに頭イイ人なのに、そういうのって頭は関係ないんだな。 そんなことを考えたらちょっと気が楽になった。あんなにいい人なんだもんな、うん、やっぱりおれの勘違いだ、見間違え、見間違え。先輩がそんな事…備品に細工するなんて、それも壊すなんてこと、する訳ない。少なくとも何の理由もなしにそんなことする人じゃない。 もう一口、コーヒーを啜る。 でも、それじゃあ、何か理由があるとしたら? あるとしたら、どんな理由だろう? 普通だったら備品に細工するなんてことしない。見つかれば重罰だし、第一、そんなことをしても別にいいことない。じゃあ理由があるとすれば、それは普通じゃないことだ。いつもと違う何か、普段は聞かない話…。 |