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ルール 37 . | . |
| この町の墓はみな、海に向かって建てられている。振りかえったそこには、草いきれの道、目のさめるような色彩のひまわり、そしてその向こうには真っ青な海、空、遠い水平線。まだ陽光は高く、視界の先にあるのは青一色に塗りつぶされた世界だったが、もうしばらくすれば、今は白く輝く太陽が波頭を黄色に染め、そしてやがては燃えるような夕焼けが見られるだろう。 夕焼け、洛陽――そう表現するとまるでそれは物事の終焉、衰退を暗示するかのようだが、その茜色の空の向こうには夜があり、朝がある。やがて明け来る新しい世界――それが、思いやりや優しさというルールで結びつけられるものであればいいと仙石は願った。力で力をねじ伏せる、弱肉強食のルールではなく…。 そうですね、そうなるといいですね。――きっとそうなりますよ。 胸の中、記憶の中からか、それとも背後からなのか、聞こえたような気がした菊政の声は、ただただおだやかで、朗らかな笑顔を思い出させるものだった。 ここは…いい場所だな、菊政。 胸の中で呟いて、仙石はゆっくりと深呼吸しながら背伸びした。そうすることで、ちょっとでも遠くが――夕焼けが見えるような気がした。 かたわらで何も言わず同じ方を見ているらしい行にも、もしかしたら遠い夕焼けが見えているのかもしれない、ふとそんなことを思った仙石は、「なあ」と海に目を向けたまま声を掛けた。 「夕焼け、見れるまでここにいてもいいか?」 そんなことを尋ねた仙石に、 「ああ」 行も遠い水平線と高い空を見ながら答えた。そして、「いいけど、倒れるなよ、日射病で」とつけ加えると、降りそそぐ陽光にまぶしそうに目を細めて笑った。 |
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